長年、家計管理に役立つと人気を集めていた「お金のコンパス」。銀行口座やカードの情報を一括で確認でき、無料で複数の金融機関と連携できる点が支持されていました。
しかし、2024年6月をもって、このアプリの提供が正式に終了。愛用していたユーザーの中には「家計の見える化が急にできなくなった」「代替アプリをどう選べばいいのか分からない」と戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「お金のコンパス」終了の背景や、次に選ぶべきアプリ、突然のサービス停止にどう備えるかについて解説します。これを機に、より自分に合った家計管理スタイルを見つけてみましょう。
「お金のコンパス」終了の背景とは?
「お金のコンパス」は、金融グループが展開していた資産管理アプリで、2020年にサービスがスタート。利用者はスマホで簡単に複数口座の残高をチェックしたり、資産の推移を確認したりできる便利なツールでした。
しかし、収益化の難しさや家計簿アプリ市場の競争激化を背景に、2024年6月末をもってサービスの提供が終了。事前に告知はされていたものの、「データの引き継ぎ機能が提供されない」という点に、多くの利用者が困惑したようです。
類似の状況は他社アプリでも起きており、大手通信会社や銀行が運営していた家計管理ツールも次々と終了。無料で提供されるサービスの裏には、維持が難しいビジネスモデルの限界が見え隠れしています。
「お金のコンパス」の特長と惜しまれるポイント
このアプリが支持されていた最大の理由は、コストをかけずに複数の口座やカード情報を一括管理できたこと。連携数の制限がなかったため、家族で使っていた方や、資産を分散して管理している方にも好評でした。
さらに、面倒な設定が不要で、シンプルな画面で誰でも扱いやすかった点も魅力の一つ。とはいえ、レシートの読み取りや細かい分類設定など、一部の機能が不足していたため、人によっては「物足りなさ」も感じていたかもしれません。
乗り換え先の本命は?「マネーフォワード ME」
「次はどのアプリにすればいいの?」という声に多く挙がるのが、「マネーフォワード ME」。家計簿アプリの中でも特に人気があり、利用者数は1,000万人を超えています。
主な特長:
- 2,500以上の金融機関と連携可能
- 支出の自動分類・グラフ表示
- 予算の設定やレポート機能も充実
注意点:
- 無料版では4つまでしか口座連携ができない
- 広告表示あり
- 過去のデータは1年間のみ閲覧可能
「無料で管理したいけど、4口座じゃ足りない」という方には、「マネーフォワード for 住信SBIネット銀行」も注目です。こちらは基本機能を維持しながら、無料で10口座まで連携でき、広告も非表示という使いやすさが魅力です。
他にもある!おすすめの代替家計簿アプリ3選
「マネーフォワード ME」以外にも、使い勝手のよい家計簿アプリは多数存在します。それぞれ特徴が異なるので、自分の家計管理スタイルに合ったものを選びましょう。
Zaim
国内で1,000万ダウンロードを超える人気家計簿アプリ。レシート読み取り機能が高性能で、細かい品目まで記録できます。
長所:
- 無料で口座連携が無制限
- レシート読み取り項目が豊富
- データ保存期間に制限なし
短所:
- 無料版では手動でデータ更新ができない
- 広告が表示される
Moneytree
シンプルながら高機能。データの一括更新や永年保存が可能で、長期的な家計管理に適しています。
長所:
- 無料でも50件の連携が可能
- 広告なしで快適に使える
- データ保存期間が無制限
短所:
- レシート読み取り機能は有料
- 現金支出や振替機能に制限あり
OneStock
家計簿機能はないものの、資産の総合管理に特化したアプリ。複数の証券口座や銀行口座の残高をグラフィカルに確認できます。
長所:
- 金融機関との連携数が無制限
- 一括更新・グラフ表示が可能
- 資産管理に特化した設計
短所:
- クレジットカード連携不可
- 家計簿としての機能はなし
- Web版がない
アプリ終了に備える3つの工夫
今後もアプリの突然終了は起こりうるため、以下のような備えをしておくと安心です。
月1回、資産状況を確認・記録する
スクリーンショットやCSVエクスポートで、資産の状況を定期的に保存。新しいアプリへの乗り換えが必要になったときもスムーズです。
定期的にアプリの見直しをする
機能のアップデートや仕様変更に気づけるよう、定期的にアプリの利用環境を見直しておきましょう。
複数のアプリを使い分ける
ひとつのアプリに依存せず、家計簿用と資産管理用など用途を分けて利用するのもおすすめです。万一どちらかが終了しても、全データを失うことを防げます。
最後に:家計簿アプリは「続けやすさ」が鍵
家計管理に正解はありません。機能が豊富でも、続けられなければ意味がないのです。大切なのは、自分のライフスタイルに合ったアプリを見つけて、「ムリなく、ムダなく」続けられる仕組みを作ること。
「お金のコンパス」の終了は残念ですが、これを機に新しい家計管理方法を見つける良いチャンスかもしれません。今回紹介したアプリの中から、あなたにピッタリのツールが見つかることを願っています。
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